その6 老化と認知症の予防
6-1 肌の老化予防と美容に効果
ビタミンの中で、美容効果に優れ、皮膚や血管の老化を防ぐビタミンとして知られるビタミンCは、茶葉の他、新鮮な野菜や果物に豊富に含まれているので、欠乏になることは少ないのですが、ビタミンCは、熱に弱く、例えば、ほうれん草など、茹でて食べる食材では葉から溶出したり、分解したりして、条件によっては半分位に減ってしまいます。
しかし、茶葉(煎茶)の場合は違います。
茶葉の場合は、本来、茶葉から湯で溶出される浸出液を摂取することと、茶葉に豊富に存在し、強い抗酸化力を発揮する茶カテキン(バイオフアクターの一種)が同時に溶出されてきて、ビタミンCの分解を防ぐので、ビタミンCを効果的に摂取できるのです。
茶葉には、多くのビタミンやバイオファクターがバランスよく共存しているので、それらすべてを効率よく摂取することによって、“総合ビタミン剤”、あるいは“スーパーサプリメント”としての価値を享受できるものと思われます。
6-2 脳の老化を防ぎ、認知症を予防する
緑茶にはカテキンという渋みの成分や、テアニンという旨みの成分などが含まれていますが、この茶カテキンとテアニンには老化、特に脳の老化を、予防する効果があることがわかってきました。
しかし、同じようにストレスを受けていても、テアニンを摂取していた場合は、ストレスによる寿命の短縮や脳の老化の促進が抑えられることが見出されました。
このようなテアニンの抗ストレス作用は、緑茶に含まれるカテキンやカフェインによってある程度打ち消されてしまうのですが、テアニンを多く含むお茶を飲むことによって、テアニンの抗ストレス効果が発揮されることもわかってきました。美味しいお茶を毎日飲むことにより、知らないうちにストレスに打ち勝つ力も身につくと考えられます。
以上のことから、緑茶に含まれる茶カテキンやテアニンは脳の老化を防止することにより、認知症予防の効果をもつと推察されます。